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「ヒント日」
北川一成 X 新津保建秀
「ヒント日」は、弊廊での展覧会のオープニングを飾った北川一成と、写真家・新津保建秀のアートユニットとして、2007年に結成された。それまでも二人の共同作業で多くの仕事を手がけているが、「ヒント日」という明確なユニットとして制作されるところには一つの明白な指針がある。二人が属する分野であるグラフィックおよび写真は、戦後の「デザイン」という新たなカテゴリーの中で商業に寄り添う形で進化し続けてきた。そして、「デザイン」が成熟を見せている今、これらの分野は新時代における芸術の価値観を創出する力を持つものとして、従来のフィールドを超えた活動が各所で見られている。この二人のユニットとして制作される作品は、従来の分野を超えた新たなアート作品として発信される。
「ヒント日」のユニット名には、「その日が創造性のヒントとなるように」という意味に加えて、「品と美」というテーマも隠されている。「ヒント日」によって制作された作品は、新津保の清潔感あふれる写真に、北川がアートディレクションをおこなうという、二人の本来の仕事の延長線上にあるものだが、恣意的に付加されるわずかなズレやささやかに組み込まれるエッセンスによって、デザイン・写真という表現媒体を含めた日常にありふれた様々なものに着目し、それらから尊さや威厳を見いだそうとするものである。
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