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1944年 愛媛県生まれ
多摩美術大学彫刻科の学生であった1967年より、グループ展での作品発表を開始。関根伸夫らとともに、「もの派」の中心人物として国内外に知られている。小清水は、初期の作品から現在の作品に至るまで一貫して、ものの物質性に着目した作品を制作してきた。巨大な石や和紙を用いたインスタレーションや彫刻、鉄、木を用いた「作業台」のシリーズ、水と信楽焼を用いた作品群など、シンプルかつミニマルな素材が用いられていることによって、ものの形や質感、色の奥深さに改めて気づかされる。素材間の関わりを重視する小清水ならではの、組み合わせの妙とも言えるだろう。
小清水は、ベネチアやサンパウロのビエンナーレ展をはじめ、国内外の展覧会で活躍している。主な個展に、「第10回平櫛田中賞受賞記念小清水漸彫刻展」 (高島屋・東京、1981年)「今日の造形8-彫刻・現代・風土-小清水漸」 (岐阜県美術館・ 愛媛県立美術館、1992年)、小清水漸教授 退任記念展「重力/質量/作業」(京都市立芸術大学 芸大ギャラリー・大学会館ホール、2010年)などが挙げられる。
現在は、1973年から制作活動の拠点であった関西に在住し、木を主な素材として、日本の風土性や土着性を強く意識したレリーフの作品を制作している。かつて自らを「ニッポンジンノドジン」と称したように、土着性や歴史を踏まえながら、現代を見据えているのである。小清水は美術をその原点と根底から問い直すような作品から出発し、従来の彫刻概念を超えた新しい彫刻作品を開拓してきたのだ。
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