村田 彩
村田は関西出身で、女性的感覚を持った装飾的かつ細密で、抽象的な陶による大胆な表現を展開している作家である。陶の造形の追求の中で、彼女の心の内にある思考と個性をそれぞれの作品に表している。
「生命」をかたちに表すことにより、花や植物、珊瑚のような有機的なかたちが現れてくる。陶の表現は、まず焼成などの制約から始まり、素材と技術が先立って作品が出来上がってくるのが基本である。そのため、自分が表現したいものの手段としてミディアムを先に選ぶのではなく、むしろ彼女が陶を触るうちに結果的に産み出したものが、最初は花のようなかたちをした作品であったと言える。
村田は、色鮮やかな練り込みの技術を用いた土から、変幻自在な触手のような有機的なかたちの作品を制作する。美しい模様と色が用いられた一見華やかな作品は、実は毒々しさを持ち合わせている。村田が言う毒とは、人間の「欲」・「嫉妬心」・「羨望」・「向上心」のことを指す。彼女は、その毒こそが人間の魅力であり、それが糧となって生命が成長すると考え、海の生命体のようなかたちでその感覚を表現している。彼女は時間の流れを「成長」と捉え、上へ上へと向かっていく生命力をかたちにしているのだ。
CV
1979年 京都府生まれ
1998年 京都市立銅駝美術工芸高等学校 漆芸科 卒業
2000年 京都芸術短期大学 陶芸科卒業
2004年 京都府立陶工高等技術専門校 陶磁器成形科 修了
2001年 京都清水焼団地「アートきよみず」にて制作活動
-2010年
2013年- 滋賀県信楽にて制作活動
【個展】
2002 個展 (京都) ギャラリーコラージュ(同時代ギャラリー
2004 個展 (京都) ギャラリーマロニエ
2005 個展 (京都) ギャラリーマロニエ
2007 個展(京都) ギャラリーマロニエ
2011 個展(台湾)新台北市立鶯歌陶磁博物館
個展(台湾)當代陶藝館
2012 個展(東京)SILVER SHELL
個展(東京)INAXガレリアセラミカ
2013 個展(東京)彩鳳堂画廊
個展(京都)ギャラリーマロニエ
個展(台湾)DER-HORNG ART GALLERY
2016 個展(京都)ギャラリー器館
2017 個展(京都)ギャラリーマロニエ
2018 個展(京都)ギャラリー器館
【公募歴】
2007 神戸ビエンナーレ2007 現代陶芸コンペティション入選
2008 京都工芸ビエンナーレ 入選
第8回国際陶磁器展美濃 入選
伊丹国際クラフト展 入選
2009 The 5th World Ceramic Biennale 2009 KOREA (韓国) 入選
2011 第9回国際陶磁器展美濃 入選
2012 京都府美術工芸新鋭展-2012京都工芸ビエンナーレ 入選 京都文化博物館
2014 第10回国際陶磁器展美濃 入選
2015 琳派400年記念新鋭選抜展 入選 /京都文化博物館
2018 京都府新鋭選抜展 2018 京都新聞社賞受賞
2019 京都府新鋭選抜展 2019
【コレクション】
KOREA CERAMIC FOUNDATION
新台北市立鶯歌陶磁博物館
国立台南芸術大学
滋賀県立陶芸の森