服部 正志
「ヒト○二面性○ヒト」
会 期:2009年7月7日(火)~7月25日(土)
閉廊日:毎週日・月曜 開廊時間:11:00~19:00
関連イベント 『ワークショップ 「ワタシノマル」』 ※終了 6月18日(木)10:30~12:00 愛真幼稚園(大東市)にて
協 賛
寺西化学工業株式会社/カードル・エフ
協 力
学校法人大東学園 愛真幼稚園
このたびYOD Galleryでは、あらゆる素材を用いて「ヒト」のかたちを表現する造形作家、服部 正志(Masashi Hattori, b.1977)の個展を開催いたします。
服部は京都精華大学大学院修了後、「ヒト」の普遍性を追究することをテーマに、「ヒト」をモチーフとしたさまざまな立体作品を発表してきました。作品の中で表現される彼の「ヒト」の造形は、常にアイコンのような簡素なかたちをベースにしています。ただし、服部のそれらの作品には単一ではないさまざまな素材が使われ、時には新たなアイコンが付加され、時には機械仕掛けになることによって、普遍性とそれを阻害する違和感が作品に見いだすことができます。こうして彼が作品に込めていく普遍性と違和感は、共に「ヒト」が存在し成長するために必要な「二面性」の要素を表しているのです。しかし実社会において、「ヒト」の中にある違和感は普遍性の要素に隠れて認識できないことが多くあります。作品の中で服部は、この普遍性のオブラートに包み隠された「ヒト」の違和感を、意識的にあらわにする行為を重要視しています。なぜならこの違和感こそが、それぞれの「ヒト」のアイデンティティの差異を特徴づける重要な要素であると考えるからです。私たちは自らの違和感の存在を認識することによって、他者の違和感も意識することができ、そして自らの立ち位置を相対的に確認できるのではないでしょうか。
当展では「ヒトの二面性」をキーワードに、服部のさまざまなかたち・質感の立体作品が混在するインスタレーションにて展開いたします。地球上には「ヒト」の数だけさまざまなアイデンティティが存在するはずです。それらがどのような関係性を持ち、また他者にどのように呼応させていくかを、服部の作品を通じて社会の縮図をギャラリー空間内で体感していただきたいと思います。
加えて、当展は寺西化学工業株式会社、カードル・エフのご協賛により、会期前の6月18日に大東市の愛真幼稚園にてワークショップを開催いたします。このワークショップで園児326名と共に制作するさまざまな色やかたちの「マル」たちが、服部のインスタレーションによって会期中外壁に彩られます。「ヒトの二面性」を理解する前の幼児たちが描く「マル」にも、普遍性と違和感が共存した326通りのアイデンティティが存在していることに、私たちは気付かされることでしょう。
「ヒト」と「ヒト」のあり方を泥臭いほどに表現していく服部の世界観から、私たちは決して眼をそむけることはできないはずです。この機会にぜひご高覧賜りますよう、宜しくお願い申し上げます。