会場:YOD Gallery(東京・天王洲)
東京都品川区東品川1-32-8 TERRADA ART COMPLEX Ⅱ 3F
開廊時間:12:00-19:00
閉廊日:日・月
オープニングパーティー:1月11日(土)17:00〜
YOD Gallery(東京・天王洲)では、2025年1月11日(土)より3月15日(土)まで、新野洋 個展「Crystallization」を開催いたします。
新野は京都造形芸術大学(現・京都芸術大学)洋画科を卒業後、オーストリアに渡り、ウィーン美術アカデミーにて修士号を取得しました。現在は、京都南部の自然豊かな山間部のスタジオを拠点に活動しています。本展は、新野による東京での初めての大規模個展となります。
新野は、生物がどのように自らの体をかたち作るのか、また自然の摂理を知りたいという好奇心から作品制作を始め、日々の自然観察をもとに作品制作をし続けています。作品制作は、自然物の採取から始まり、型取りや樹脂での複製を通じて、元の生物とは異なる「いきもの」を再構築していきます。こうして創出される「いきもの」は、単なる架空の生物の制作ではなく、自然が生み出す形態の普遍性を探求し、生命の根源的なかたちを顕在化させるための自然との対話です。また、自然の造形が凝縮され、かたちになったその「いきもの」は、採取した地域性を色濃く映し出すだけでなく、人の手ではつくりだせない記憶をも内包し、不思議と命あるもののように感じるのです。
本展のタイトル「Crystallization」は、結晶化または具現化の意味を持ちます。原子や分子が規則的・周期的に配列し、固体の結晶を形成する過程を指しています。雪の元となる水が気体・液体・個体とその形態を変えるように、私たちの形質も常に変化を続けています。生命の循環において、死んだ命は新しい生命の糧となり、別の形に姿を変えながら地球上を廻ります。その循環システムは、すべての生き物や現象に繋がりを見ることができます。
新野が自然を観察し、その中に存在する不思議な共通性を見つけ出し組み上げた作品は、特定の時間と場所に存在した命を凝縮させた「結晶」とも言えるでしょう。
本展は、動物の骨を型取りし、樹脂成形されたパーツを雪の結晶のように組み合わせた大型作品『進化のパズル』や、未発表の新作を含む約17点の作品によって構成されており、自然界にあったものが異なる姿で現れる展示空間の中で、自然造形の美しさを感じることができるとともに、生と死を超えてつながる生命の循環を体感いただけることでしょう。ぜひこの機会にご高覧ください。
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アーティストステイトメント
猿とアナグマの骨格標本を譲り受けた。動物の脊椎の形に興味を惹かれ、背骨をバラバラにして机に置いた。円形に並べ、放射状にすると、六角形に組み上がった。それは雪の結晶のように見えた。
自然界には不思議と似通った形が存在する。六角形の雪の結晶、六本脚の昆虫、蜂の巣の形、放射状に広がる植物のロゼット、遺伝子やウイルスの構造。
すべてのものは、あらゆる形になる可能性を秘めている気がした。そして森羅万象のつながりを感じた。